組織行動論 メモ6 『チームが機能するまでの各段階』

『チームが機能するまでの各段階』

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 仕事は一人ではできないので、また異動やプロジェクトの立ち上げもあるので、チームが作られることになる。

 チームがうまく機能するにはどうするかを考えるにあたって、チームが出来てからどのような段階を踏んでいくかを示したのが、下の図。

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  1. Forming:形成期 チームが形成されたばかりで、お互いを知り合う段階
  2. Storming: 混乱期 衝突が起こる段階
  3. Norming: 統一期 衝突を経てチームとしてのルールや目的、それぞれの役割がはっきりしてくる段階
  4. Performing: 機能期 チームとして機能する段階
  5. Adjourning: 散会期 チームが解散する段階。(この段階を経て、仕事上の付き合いから、個人的な付き合いに移行する場合もある。)


 なお、過去にチームを組んだことがあったりすると、最初の方の段階がスキップされることもある。逆に、新しいメバーが加入したりすると、4の段階まで進んでいても、再度1の段階に戻ることもある。

 チームリーダーは、なるべく早く1~3の段階を超え、4の段階に導く必要があるし、各段階を充実したものにする必要がある。

 「1.形成期」でよくあるのは、歓迎会という飲み会なのかもしれない。お酒の力を借りて、お互いのことを話すことで、より理解が深まる。が、別に飲み会にこだわらず、他の方法も模索したいところ。例えば、飲まなくとも自己紹介のためのミーティングはできるだろうし、「リアル脱出ゲーム」のようなサービスを利用しても良いかもしれない。

 「2.混乱期」はリーダーとしてはなるべく避けたいところではあるが、真剣に仕事に取り組んでいれば、意見の違いは起こるであろうし、建設的な衝突はむしろ必要であると思う。ここをなぁなぁにすると、プロジェクトの最終段階で積もり積もった不満が爆発し、チームが瓦解するということになりかねない。

 「3.統一期」では、明文化されたルールだけでなく、暗黙のルールも重要。リーダー(課長とか)の好きなやり方を推し量って、それをルールとしてしまうのはあまり好ましくない。リーダー側からも、チームメンバー側からもお互い意見を出してルールを形成していく必要がある。

(後日投稿しますが、コミュニケーションのルールを作ることはとても重要。)

 「4.機能期」になったといっても、いろいろな変化は生じるので、その都度、部分的で良いので前の段階に戻り、柔軟にルールなどを変えていきたい。また新たなメンバーが加入した際、従来メンバーのやり方を押し付けるのではなく、新しいメンバーの意見も反映する必要がある。

 「5.散会期」では、仕事が終われば付き合いは終わりという考えもあるだろうし、プライベートの付き合いまで踏み込む必要はないが、少なくともチームメンバーとは誠実な関係を築いておきたい。

 アメリカやコンサルティング会社のように、プロジェクトごとにチームを組むやり方をするところでは、1から3をかなり意識して行っていると聞きました。(一方、やや形式的になっていて面倒かつ効果が薄れているという話も聞きました。)
 自分自身の仕事環境においては、1から3の各段階をもっともっと大切にする必要があると痛感しています。

 

ではでは。


参考文献:
B. W. Tuckman and M. A. C. Jensen, “Stages of Small- Group Development Revisited,” Group and Organization Studies 2(1977): 419–42; B. W. Tuckman, “Developmental Sequence in Small Groups,” Group Facilitation (2001): 66–81. 

McShane, Steven Lattimore (2015). Organizational Behavior: Emerging Knowledge, Global Reality, 7th edition.