組織行動論 メモ7 『影響力の使い方』

『影響力の使い方』

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影響力とは「他人の考えや行動を変えようとする試み」のこと。

組織の中で活動している以上、人はそれぞれ相互に影響力を行使する。また、部下を持つ立場にある人は、組織の目標を達成するために、どう影響力を行使するかを考えなければならない。

図1に示すように、影響力には様々な種類がある。

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  1. Silent authority:権力に言及しないものの、その権力を背景として影響力を及ぼす 例:通常上司が部下に出す指示「これやって」
  2. Assertiveness:権力によって脅す 例:「これやらないと評価下げるぞ」
  3. Information control:情報源や情報そのものをコントロールることで影響力を及ぼす
  4. Coalition formation:集団を組む
  5. Upward appeal:上位の権力を借りる 例:「部長の指示だからこれやって」
  6. Persuasion:説得
  7. Impression management:印象操作 例:日頃の行いで自分の評判を上げておく。ご機嫌取りもこれに含まれる。
  8. Exchange:交換


そして、影響力が行使されたときに、人は3種類の反応を示す。

Resistance(抵抗)、Compliance応諾)、Commitment(前向きに関与)

では、どの影響力の行使が良いかを示したのが、図2。

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 一般的に、1~5のような権力等に裏付けられた影響力を行使されるよりも、6~8のようなその人の人間性や個人的能力に裏付けられた影響力を行使される方が、より快く応じる。

 ただし、組織の権力の源泉や、影響力を行使する側とされる側の立場の違い、組織の文化の違いにより、その影響力による効果は異なってくる。例えば、軍隊では階級にのっとった規律ある命令が必要だろう。また上司が部下に指示する際に毎回説得していたら、部下から頼りないと思われてしまうかもしれない。

 前向きに協力してもらえるよう、人間性に裏付けられた影響力の行使を基本としつつ、自分や相手がどういった影響力の行使方法を用いる傾向にあるかを知り、また組織の文化や状況に応じて相手がどう影響力に反応するかを考えて、行動したい。また、こういった影響力の行使の方法を悪用する人に対して、冷静に対処できるようにしたい。

 

ではでは。


参考文献:
McShane, Steven Lattimore (2015). Organizational Behavior: Emerging Knowledge, Global Reality, 7th edition.