組織行動論 メモ9 『組織文化』

『組織文化』

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 それぞれの組織は個別の文化を持っています。
 「組織文化」とは組織の中で共有されている「価値観」と「仮説」のこと。

 図は、氷山を例えに、組織文化を表現したのものです。

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 海面上に表れているのが、組織文化が表面化したもの。

  1. Physical structure:物理的な構成 例)会社の建物、組織構成
  2. Language:言語 どうコミュニケーションをとっているか 例)文書主義
  3. Rituals and ceremonies:儀式や式典 例)入社式、会議室に重役が入室した際に社員一同が立ち上がって迎える
  4. Stories and legends:ストーリーや伝説 例)社の創業ストーリー、仕事上の武勇伝


 そして、氷山の一角のたとえの通り、図の海面下にある巨大なものが、組織文化であり、以下の2つから構成されています。

  1. Shared value:こうすることが正しいもしくは悪いといったことを判断するための組織の誰もが意識している価値観
  2. Shared assumption:こうすることが正しいもしくは悪いだろうと無意識のうちに考えている仮説


 「強い組織文化」は、組織に所属する人の意思決定と振る舞いを規定し、人々の一体感や絆を生み出し、人々が自分の組織の中で起こっている物事やその理由を理解する手助けをするといった、役割を持っており、その影響力は計り知れないないほど大きいです。

 この組織文化は、誰もがなんとなく理解できていて、例えば、誰もが「うちの会社はこんな感じだよ」と語ることができます。また、「うちは役所です」と言うと、それを受け取った人は、なんとなくイメージが湧いてきます。

 ところが、この組織文化なるものを正確に把握するのはかなり困難です。例えば、組織文化の中の最も支配的な文化は、その組織の最上層部の人々(社長や経営陣)によって形成されますが、組織の中には、ほかにも多様な文化が無数に存在し、それぞれが相互に作用しており、支配的な文化を補強するものもあれば、逆に弱めるものもあります。また「価値観」は捉えられても、無意識の「仮定」は捉えるのが難しいです。

 組織の中で何か施策を行うにあたっては、難しくとも、この組織文化の理解に努めた上で、行っていくことが必要です。

参考文献:
McShane, Steven Lattimore (2015). Organizational Behavior: Emerging Knowledge, Global Reality, 7th edition.