3行日記

 先日、ジョン・デューイが提唱した「人は経験から学ぶのではなく、経験を振り返ることから学ぶ」ということを紹介しました。人は経験から学ぶのではない - うめさんブログ
 この「振り返り」のためのツールとして、ここ1か月ほど自分で試してみた「3行日記」というツールを紹介したいと思います。
 
1.3行日記とは
 
 「3行日記」はもともとは「4行日記」といわれるもので、日記のようにその日1日を振り返って記録していくものなのですが、以下の事柄ごとに1行程度記録していくというものです。
  • 事実:その日起きたこと。(全部書くのではなく、印象に残っていることだけを書く) 例:○○さんと昼食を食べた。
  • 発見:その日発見したこと。例:○○さんと初めて話したけど、とても楽しかった。
  • 教訓:その日に気づいたことや学んだこと。例:○○さんのように、じっくり聞くと、相手に安心感を与えられる。
  • 宣言:明日や今後やろうと思ったこと。例:週末、△△さんと会うけど、聞くことに集中してみようと思う。
 
 ただ、自分は、「発見」と「教訓」の書き分けが面倒だったのでそれらを集約し、3行日記として、「事実」「発見・教訓」「宣言」という3項目で続けています。
 
2.1か月ほどやってみて気づいたこと
 
①意外に面倒ではない
 40年以上生きてきて、日記なるものをやったことはないのですが、3行なら大した時間はかからないし、iphoneの機能を使って毎日夜11時にリマインドしてもらえば忘れないし、evernoteのアプリに書いていけば入力は簡単に済むし、あとあとの検索もラクチンです。
 
②意外に気づきが多い
 「今日は何にもなかったなぁ」とか「今日もいつもの同じだなぁ」と思っていても、いざ書き始めると、「あっこんなことがあった」「こういうことに気づいた」「こう思ったんだよなぁ」というのがポンポン出てきます。特に、「発見・教訓」に記載した、その日気づいたことは、自分の素直な気持ちだったり、新しいアイディアだったり、見習いたいことだったりと、今後に生かせることが多いです。
 
③意外に忘れていて、それを思い出せる
 「発見・教訓」や「宣言」は、書いたときは「いいな!」とか「やろう!」と思っていたことなのに、翌日に日記を書こうとして前日の記述が目に入ると、意外に忘れていてやっていないことが多いです。
 例えば、「○○の本の続きを読む」と前日に書いていたのに、今日は1ページも読んでいなかったりなんてことはザラにあります。気楽にやるのが3行日記のいいところなので、宣言したことができていなくても気にしないことにしていますが、何回も宣言ででてくることは多分自分がやりたいことなのだろうということに気づけます。また、その日のその瞬間にはいいことに気づいていたのに、すっかり忘れてしまっていることを思い出したりもできます。
 
3.仕事の3行日記
 
 実は、自分はこの3行日記をプライベートと仕事の2種類やっています。プライベートの3行日記は、evernoteに書きなぐっているのですが、仕事の3行日記は、会社のパソコンのデスクトップ上にエクセルで表(下図)を作っておいて、帰る前に記入しています。

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 図の例で示した通り、「事実」はその日あった会議やトラブルを記載し、「発見・教訓」はそれらに対処する中で気づいたことを、宣言は明日以降やらなければならないタスクを書き出しています。
 
 これをやってみて思ったのは、まず「事実」の列は、あとあと引継書類として使えるだろうということです。異動が決まってから引継書を書く場合、現在進行形のタスクであっても概要しか書きませんし、さらに終わってしまったタスクまで書いている余裕がないですが、結構過去起こったことが再度問題になったりすることも多いものです。今起きているタスクも含めて、どういった経緯でそれが起こったのかがこの「事実」を見ると容易に分かることでしょう。
 「発見・教訓」の部分は、個人的な感想なので、この3行日記のまま引き継ぐつもりはありませんが、後任へのアドバイスとしてまとめたり、後任から問い合わせがあった際、このエクセル表を振り返れば、個人的な感想が書いてある分、その当時の記憶が鮮明に思い出せ、的確に問い合わせに答えられるかもしれません。
 
 また、「発見・教訓」を書く際には、その日の自分がやったタスクを『振り返る』ことになります。自分はここが気に入っています。「○○に関する法律を知らなかったので覚えておこう」とか「誰々との調整に手間取ったのでもっと早めに根回しを開始しよう」とか、といった改善策を考えることができます。
 なお、ここでのポイントは、なるべく気楽にポジティブに振り返ることだと思います。これが出来なかった、あれが出来なかったではなく、未来に向けてこうしたら次はもっと良くなる、という風に書いておいた方が良いです。
 
 「宣言」の欄は、宣言というより今後のタスクを書いているだけなのですが、この間のGWのように長い休みの後に「あれっ、自分は何をやらなくちゃならなかったっけ」といった時に、3行日記を見ると、「そうそうこの仕事が途中だった」と気づくことができます。
 また、仕事では日々いろんなことが起こるので、前日やろうと思っていたことがやれなかったということも、この日記をつけ続けていくと見えてきます。
 やれないままでしばらくたってしまったタスクがあったら、今一度他のタスクとの優先順位付けや、そもそもそやろうとしたそのタスクは重要なのかどうかとか、遅々として進んでいないのは何が原因なのか、自分は本当にそのタスクがやりたいのか等、考えることができます。
 
 3行日記おすすめです!