3か月杖を使ってみて気づいたこと(お礼とお願い)

 ひざの手術をしてから、約3か月間、杖を使って歩いていましたが、今週月曜から杖を使わず歩けるようになりました! まだ階段はおぼつかないし、痛みはありますが、平坦なところは普通に歩けるようになりました。この3か月間で気づいたことを踏まえ、お礼とお願いをまとめてみました。
 
お礼
1.席を譲ってくれた方、ありがとうございます!
 杖をつかなければならない自分にとって、最大の難関は、毎日の通勤でした。なるべく余裕をもってかつ時間帯をずらして乗っていましたが、ぎゅう詰めの中ずっと立っていたり、特にブレーキやカーブで不意に体がふられるときにかかる膝への負担が、辛かったです。そんな時、席を譲ってくれた方、本当にありがとうございます。

 通勤中はみんな余裕がなく、前日の疲れが残っていたり、押されたくなかったりで、みんな座りたいはずです。それでも、杖を突いている自分に気づいたら、さっと席を譲ってくれた方が結構いらっしゃいました。都会の人はみんな譲ってくれないだろうなと思っていたのですが、予想していた以上の2日に1度ぐらいの頻度で席を譲っていただけました。

 そして、席を譲ってくれる方は、見た目では全く分かりませんでした。どういうことかと言うと、「びしっとスーツを着こなした爽やかそうなサラリーマン」や「人のよさそうなおばさん」が譲ってくれなかったこともあった一方で、「よれよれのスーツで疲れてそうなおじさん」や「ヤンチャな感じの若者」が譲ってくれたこともありました。妻にこの話をしたら、妊娠中の妻に席を譲ってくれた方も、全く見た目では予想がつかなかったとのこと。本当に「見かけで人を判断してはいけない」と心から思いました。
 ただし、中高生に譲ってもらったことはありませんでした。健康でどんどん力強くなっていっている若者には、杖を突いたりすることの大変さが想像しづらいのかもしれません。
 
 また、優先席の効果は大きかったです。
 優先席のあり方については、「どこの席であってもハンディキャップを負った方に席を譲るのは当たり前だから優先席を無くしてはどうか」という議論もあったやに聞いています。それでも私が見た限りでは、優先席に座っている健常者の方は、席を必要とする方が乗ってくると譲ってくれたり、譲ろうかどうか逡巡したり、寝たふりをしたりと、やはり優先席という存在が気にかかるようです。
 一方、普通の席の前で私が杖を突いて立っていた時は、「杖を突いているけど大丈夫なんだろうな」と思われたのかほとんど譲ってもらえませんでした。
 やはり優先席は必要です。
 
2.道を譲ってくれた方、ありがとうございます!
 私が歩いているとき、人混みにもかかわらず、道を譲ってくれたり、距離をとってくれた方、本当にありがとうございます。
 杖を突いているのでゆっくりしか歩けず、また膝に負担がかかるので急な方向転換が難しく、何より転んだら大変なので、なるべく急いでいる人の邪魔をしないように気をつけてはいましたが、やはり朝の駅構内などの人混みではぶつかりそうになることもありました。そんな時、足を止めていただいたり、方向を変えていただいたりしてくれたおかげで、安全に歩けました。
 
3.モンベルの登山用の杖、ありがとうございます!
 登山用に買い、年2~3回ほどしか使わなかったモンベルの杖、本当に助かりました。

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 確かに「木の杖」の方が味わい深いけど、登山用の杖にはこんな利点がありました。
 

  • 持ち手(グリップ)部分がゴムになっていて、立てかけているときに滑り落ちていかない。

 コンビニでお金を支払うときなど、両手を使わなければならないときは、杖をどこかに置かなければならないのですが、立てかけておくと滑って落ちていってしまいます。

 そして、足が悪い人にとって、地面に落ちたものを拾うのはとてもつらい動作です。市役所などでは杖ホルダーが設置されていることもありますが、コンビニなど無いところも多いです。そんな時、持ち手が部分がゴムになっていると便利です。
 

  • 先端部分がゴムになっていて、滑らない。

 階段の上り下りの際など、杖に体重を預けることになります。そんな時、雨で階段が濡れていたりすると、木の杖では滑ってしまうのではないかと心配です。もちろん先端部分がゴムになっている木の杖も多いですが、登山用の物の方が滑り止め効果も大きいような気がします。

 

  • ストラップがついている

 立てかける場所がない時は、ストラップで手首にかけておけるので、便利です。
 

  • 杖の内部にバネが入っていて、衝撃を吸収してくれる

 自分としては、この機能こそが、木の杖では難しい、登山用品ならではないかと気に入っています。杖を突いて歩いていて杖に体重を預ける際、地面からの衝撃がそのまま杖を持っている腕に跳ね返ってくるのですが、この機能により衝撃が吸収され、腕への負担が軽減されるというもの。
 
 登山用の杖、おじいちゃんおばあちゃんに是非おススメしたいです。
 
4.最後に3つのお願い
 一つ目。満員電車の優先席に乗っていると、こんなに障害を持つ方が多かったのかと驚かされました。自分は京浜東北線に乗っていましたが、数分おきに来るにもかかわらず、優先席(特に、ホームのエレベーターに近い車両)は杖を持った方、ヘルプマーク(下図)を付けた方、妊娠中の方でいっぱいでした。優先席はもちろんとして、普通の席であってもぜひ譲っていただきたいです。

 

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注:ヘルプマーク 義足や人工関節を使用している人、内部障害や難病の人、妊娠初期の人など、外見からは障害等が分からない人が援助を得やすくするためのもの
 
 二つ目。歩きスマホ、特にゲーム。電車の乗り降りの際、スマホを操作している方に押されるということが多くありました。またゆっくり歩いている後ろから、歩きスマホの方にぶつかられるということもありました。
 よくよく観察してみると、電車の乗り降りの際は、ゲームを途中でやめることができず、ボタンを連打中という方が多かったです。ゲーマーの自分としては、その気持ちはよく分かるのですが、あの混雑の中、万が一誰か一人でも押されて倒れてしまったら大変なことになりそうですし、せっかく治りかけてきた足が転んだために再度手術そしてリハビリとなったらたまりません。是非降りるタイミングをみこしてゲームを楽しんでいただきたいです。
 また、別の解決策として、ゲーム開発者の方、一時停止ボタンをつけてあげてください。
 
 三つ目。エレベーターに乗るとき押さないでください。私が見た限りですが、エレベーターに乗られる健常者の方は、マナーの悪い方が多かったです。中でも、無理に最後に乗ってこられる方、私の場合、踏ん張れないので、無理に押されると非常に膝が痛かったです。お急ぎのこととは存じますが、次のエレベーターを待っていただくか、エスカレーターを利用して頂けると助かります。
 
 最後に3つもお願いをしてしまいましたが、改めて席を譲ってくれた方、道を譲ってくれた方、本当に本当にありがとうございました。私ももう少し足が良くなったら、必ず譲るようにします。