強みを知ろう(ストレングスファインダー)

 自分は、仕事はチームでやるものなので、各メンバーの強みを生かしていった方が、チームとして成果も上がるし、仕事も楽しいと思っています。

強みを伸ばす - うめさんブログ

 

 今回は、自分の強みを知るためのツール「ストレングスファインダー」の紹介です。このツールが絶対だとは思いませんが、自分の強みを知るための一つのツールとして試してみる価値はありますよ。

 

1.ストレングスファインダーとは
 ストレングスファインダーとは、アメリカのギャラップ社が心理学者とともに作り上げたツールで、アンケートに答えていくと、強みの素(もと)となる34の『才能』の中から、自分が持っている5つの『才能』を割り出してくれるというものです。

 34の『才能』とは、例えば、「ポジティブ」「調和性(が高い)」「適応性(がある)」「信念(が強い)」「規律性(がある)」といったものです。

 

2.才能とは?強みとは?

 

 強み=才能×投資

 

 『才能』とは「頻繁に繰り返す思考、感情、行動パターン」と定義づけられています。例えば、「昔から数字が好きで、ついつい数字をみると分析してしまう」といったものです。(※この才能は、34の才能の中では、「分析思考」と名付けられています)」
 この『才能』を知識や訓練によって磨いていくと、強みとなります。ここで「練習やスキル開発、知識を身につけるためにかける時間」が『投資』であり、『才能』に『投資』をかけると、「常に完ぺきに近い成果を生み出す能力」である『強み』を形成することができます。

 

3.弱点克服より、才能(強み)を伸ばそう

 先の定義の通り、『才能』とはごく自然についついやってしまう思考、感情、行動パターンなので、本人が持っている『才能』を磨いていくことは、苦しいというよりはむしろ楽しく、そして成果もでやすいです。

 また、受験勉強であれば、各科目の上限は100点なので、30点しか取れない苦手科目を克服することも必要かもしれませんが、人や仕事は違います。個々人の能力に100点という上限はなく、ある分野においては200点でも300点でも取れる人がいるでしょう。仕事はチーム戦なので、そんな人にその人が苦手で30点しか取れない分野までやってもらう必要はなく、その人には自分の得意分野で頑張っていただき、その人にとって苦手な分野が得意な別の人にやってもらえばよいのです。

 

4.才能を知ろう(自分を知ろう、部下を知ろう)

 実際にストレングスファインダーをやってみて、自分の5つの才能を確認してみましょう。

 おそらくいろいろな経験を重ねてこられた人は、ストレングスファインダーをやる前にざっと34の才能を眺めてみると、自分はこの才能に当てはまるだろうなと見当がつくかもしれません。

 例えば、自分であれば、「慎重さ」や「学習欲」などは、予想がつきました。また、アンケートに答えていく中で、あぁこういう答え方をしている自分は、多分こんな才能に該当するだろうなということも分かるかもしれません。
 ただし、才能はごく自然についついやってしまう思考、感情、行動パターンなので、自分では当たり前のように出来ていて、他人も同じようにできているだろうと思っていたために、気づいていなかったという才能も見つかるかもしれません。ここがこのストレングスファインダーの面白いところです。

 

 そして、才能を知ったら、仕事に活かしていきたいところです。自分の才能を生かせる仕事につけるのが一番良いでしょうが、仕事の内容や担当を常に自分では選べるとは限りません。例えば、「分析思考」を持っているからと言って、データ分析を主とする仕事の担当になれないこともあるでしょう。

 それでも、仕事のアプローチは工夫できるのではないかと思います。

 例えば、仕事である交渉を任されたとします。ところが自分は分析は得意だが、コミュニケーションには自信がない。そこでまずは、交渉事に当たるにあたっての交渉材料を作るためのデータの分析からまず始めてみて、実際の交渉は、話すのが得意な上司や部下の手助けを借りるという手があります。

 

 また、このストレングスファインダーは、部下指導にも生かせます。部下の指導に当たっては、self-fulfilling prophecy cycleという理論(上司が『この部下はできる!』と高い期待感を持ってのぞめば、部下はその期待に応じて高い成果をあげるというもの)があります。

組織行動論 メモ1 『部下を持つ方に最も知って頂きたい理論』 - うめさんブログ


 何の根拠もなく「この部下はできる」と信じてあげられるのが理想ですが、そもそも仕事のできる人が上司になっていることもあり、なかなか根拠なくそう思うことは難しいかもしれません。

 でも、部下の才能に目を向けてみて、「あぁこの部下はこういったことが得意なんだ」ということに気づければ、少なくともその分野については「この部下はできる」と思えるのではないでしょうか。
 
 ちなみに、今自分のチームメンバーの方全員にこれをやってもらっていますが、メンバーからの結果報告を聞く前に、自分の方でこの部下はこの才能を持っているのではないかと予想してみています。どれぐらい当たるか楽しみですが、おそらくかなり外れると思っています。

 というのも、以前の職場でストレングスファインダーを若手の方々にやってもらった時、結果が分かってしまえば「あぁ、確かに○○君はそういう長所があるよね」と納得できるのですが、事前予想はかなり外れました。自分に部下を見る目がないのか、そもそも才能はやはり他人からは見えにくいのか分かりませんが、事前に予想してみることで、自分が部下をどの程度把握しているかも分かるかもしれません。

 

5.自分の結果

 自分は、12年前と今と2回このストレングスファインダーをやってみました。結果は以下の通り。どうでしょう、当たっているでしょうか?
 

2007年
 1.分析思考 2.自我 3.慎重さ 4.コミュニケーション 5.学習欲
2019年
 1.調和性 2.分析思考 3.慎重さ 4.学習欲 5.個別化

 

 「分析思考」「慎重さ」「学習欲」は同じですが、「自我(=みんなに認められたい)」と「コミュニケーション」がなくなり、「調和性」と「個別化(=一人一人が持つユニークな個性に興味を惹かれる)」が出てきました。

 この辺りは、ここ10年ほどの仕事の中で調整ごとの多い仕事や管理職をやってきた結果、調和性をとることが得意になっていたり、チームの活かし方を考えるうえで強みを大切にしたいなと思ったり、はたまた個別主義のアメリカで生活したりしたことが反映されているのかもしれません。

 

 最後に余談ですが、人はいろいろな顔(仮面、ペルソナ)を持っています。職場でのふるまい方と家庭でのふるまい方は違うでしょう。私はストレングスファインダーの結果を仕事に活かしたかったので、アンケートに答える際、仕事をしている自分をイメージして答えました。何をイメージして答えるかによってもこの結果は変わってくると思います。

 2,000円ほどでできますので、是非やってみてください。
 (※「さあ、才能に目覚めよう」という本を購入すると、web上でストレングスファインダーにアクセスできるコードがついてきます。ですので、中古本は買わないよう、ご注意ください。)

 

参考:「さあ、才能に目覚めよう 新版」 著:トム・ラス 日本経済新聞出版社