アイスブレイクのコツ

 先日受講したファシリテーション協会の「ファシリテーション基礎講座」から、今回は「アイスブレイク」について取り上げます。

↓関連する過去のブログはこちら

ファシリテーション 「場のデザイン」の5つの要素 - うめさんブログ

 

 

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※Feb. 2019 アイスランドにて

 

1.アイスブレイクとは

 アイスブレイクとは、その名が示す通り、氷(ice)を溶かす(break)ように、打ち合わせや会議などの「場を和まし、緊張をほぐすことで、参加者の主体的な活動を促進すること」を目的としています。

 例えば、初対面の人が集まったときにする、自己紹介などです。

 

 そして、このアイスブレイクには、以下の3つが含まれていると良いとされています。

 a) 知り合う

 b) 体を動かす

 c) 学びも求める

 

 先ほどの自己紹介はまさに a) 知り合う ということができるというものです。

 

 講師の先生は、アイスブレイクとは「共通点探し」であり、上記の3つのうちa)は必須で、さらにb)とc)が加わるとより良くなるとおっしゃっていました。

 

2.気づき

 さて、このアイスブレイクが「共通点探し」だとすると、先ほど例に挙げた「自己紹介」も、ちゃんと共通点探しができるような内容を盛り込んであげる必要があります。

 

 例えば、会議などの最初の自己紹介で「名前と部署名」+「よろしくお願いします」だけを言うのでは、それを聞いた周りの人は全く共通点を探せません。名前と部署だけなら、資料の参加者一覧を見た方が早いです。結局顔も名前も覚えてもらえません。

 

 もし初対面の人が多いのであればもう少し共通点を見つけられるヒントになる事柄を入れた自己紹介をしたいところです。

 例えば、「今は○○を担当していますが、今までには△△や□□などの仕事を担当してきました。」と言うなど。

 

 また、場の雰囲気がもう少しカジュアルで良いのであれば、出身地などを入れるとよいでしょう。出身地が同じというだけで、ぐっと身近に感じられるものです。

 

 例えば、自分の場合は、転勤族であることを生かして、出身は○○県なのですが、仕事柄転勤が多く、○○県、△△県、・・・などに住んだことがありますと言います。

 また、ここでは○○市に住んでいましたという市レベルまで細かくせず、県レベルにとどめておいた方が良いと思っています。なぜなら、県レベルであれば共通する人も多いでしょうし、その次に「何市にいたんですか?」という質問も引き出せるからです。

 さらに、趣味などもそれとなく織り交ぜると、よりよく知ってもらえるかもしれません。自分の場合は、日本酒が好きなので、「○○県では○○酒造の○○(お酒の銘柄)をよく呑みました」と言ったりもします。

 

 あくまで「共通点を見つけやすくする」という点から紹介すべきことを選ぶと良いと思います。

 

 アイスブレイクは「自己紹介」だけではありません。

 

 例えば、会議が始まる前のちょっとした雑談をするのも立派なアイスブレイクです。

 よく「今日は暑いですね」とか「急に冷えてきましたね」と天気の話題を持ち出すことがあるかと思いますが、これも立派な共通点探しです。

 ただ、上記のa)~c)のいずれの要素も含んでいないので、もう一歩進めて、「○○出身の私にはこの暑さは答えます」と言ってみるのも良いでしょう。

 

 また、午後一の会議であれば、「お昼を食べてちょっと眠くなってしまう時間帯なので、最初にちょっと背伸びをしてみましょう」とb) 体を動かす ということを取り入れても良いですし、参加者に向かって簡単な質問をして「手を挙げてもらう」というのも良い手だと思います。

 

 最後に、このアイスブレイク、コーチングでも必ず最初に行います。私が教わった先生は、アイスブレイクは「クスッ」と笑ってもらうのがポイントと教えてくれました。また、あらかじめ天気や場所といったネタを仕込んでおくと良いとのことでした。

 

 さらに、コーチングのテクニックを用いるのであれば、「はい/いいえ」で簡単に答えられるクローズドクエスチョンで相手の口をほぐしてから、「はい/いいえ」では答えられないオープンクエスチョンにつなげると話が膨らみやすくなります。

 

 ちょっと専門用語を使ってしまいましたが、これ皆さん実際よくやられています。

 例えば、会議の始まる前に、「今日は暑いですね?」と軽くクローズドクエスチョンで聞いた後、「最近どうですか?」とオープンクエスチョンで聞くというものです。

 

 また、もう少し付け加えるのであれば、「ジョハリの窓」の考えを使えば、先に自分から情報を提供(自己開示)すると良いです。

 ↓関連する過去のブログはこちら

 ジョハリの窓 - うめさんブログ

 先ほどの自己紹介と同様に、まずは自分から一歩踏み出して話題を提供してあげると、相手が話しやすくなりますし、相手に「どちらのご出身ですか?」と自分が開示済みの事項について質問することもできます。

 

 部下との打ち合わせでも、いきなり仕事の話題に入っても良いですが、上司の側から、「自分は週末はのんびり過ごしてたんだけど、○○さんはどう過ごしたの?」とか「自分はちょっと寝不足なんだけど、○○さんは体調どう?」と聞いてあげると、少しだけ場が和んで打ち合わせもスムーズにスタートできるような気がしてます。

(※これはあくまで上司側の配慮です。自分が部下の立場で、上司に相談するときには、アイスブレイクはせず、「○○の件で、こういう事態になっているので、今後の対応についての相談です。」と30秒ほどで概要と目的を伝えます。)

 

 アイスブレイク、ちょっとだけ準備して、上手く使っていきたいです。 

 

 

参考)c) 学びも求める アイスブレイクの例:1円玉の大きさは?

https://mynavi-agent.jp/dainishinsotsu/canvas/2016/11/post-5.html