人材を育成するためにやるべきことは多々ある一方で、北海道大学の松尾先生の研究によると、やってはいけないのは、この3つです。
- 弱みを克服させることに重点を置き
- 問題や失敗のみを振り返らせ
- マネジャー(上司)が職場のすべてを仕切っている
「反省」を重視した余りにも伝統的かつ日本的な育成方法を示していて驚きです。
私自身もこういった育成方法を受けたことはありますが、その間、多少は成長できましたが、何しろ自分で考えることができない(考えてもダメ出しされる、結局上司の意見が通る)ので成長の度合いが遅く、また、そのような職場で働くことは楽しくはありませんでした。
そういった経験から、数年前から、強みを伸ばしたい、と思っていました。
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この3つのやってはいけないことを知ったとき、ある新任管理職の方を思い出しました。
その方は、実績もあり課長にはなりましたが、やや知識や判断力が欠けていました。
ところが、とにかく部下を褒めて任せることが上手く、部下の方も「課長はしょうがないなぁ、助けてあげますよ」なんて形で活き活きと働いていました。
自分が説明しなきゃいけないような大事な会議でも、「これは部下のAさんが詳しいので、彼から説明します」と言ってしまうほどでした。
この方は、特に人材育成の観点からこういう行動をとっていたわけではなく、自分なりのマネジメントのスタイルとしてやっていたのだと思いますが、チームとしての成果もあがり、なによりその和気あいあいとしたやり取りと、約1年の間に、部下がどんどん成長していったのが印象的でした。
このやってはいけないことは、優秀な上司の方ほど、陥りがちです。
なぜなら、自分と比べるとどの部下も自分より劣っていて、弱点や問題ばかりが目につき、ついついすべてを仕切りたくなってしまうからです。
強みに着目して部下に任せる、人材育成はそこから始まります。
参考)
松尾睦、2019.10, 部下の強みを引き出す経験学習リーダーシップ, ダイヤモンド社
画像:SKによるPixabayからの画像