「聴く」ためのマイルールを作ろう

 先週は、信頼関係を築くためには「認める」というスキルが有効ですという話をしました。

 今週は、もう一つの「聴く」というスキルについてです。

 

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コーチングが機能しない場合 - うめさんブログ

認める - うめさんブログ

 

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White Sands National Park, July, 2017

 

 誰しも自分の話を聴いてもらいたいと思っています。

 そして、自分の話を良く聴いてくれる人に安心感を抱くようになり、それが信頼へとつながります

 

 この「聴く」ということについては、「傾聴」とか「アクティブリスニング」とか言う言葉もだいぶ広まってきましたので、基本的なスキルは皆さんご存じだと思います。

 

 例えば、私が習った銀座コーチングスクールでは、以下の4つの具体的な方法を紹介していました。

  • 話す速度や声のトーン、しぐさや姿勢を相手に合わせる「ペーシング
  • 話を促すための「接続詞」(例『それで?』『それから?』)
  • 相手が話すのを待つ「沈黙
  • 相手が話した内容を確認するための「要約や言い換え」(例 『それって、こういうこと?』)

 

 スキルとしてはこれだけです。

 ところが、なかなか「聴く」ということが徹底できません

 

 よく「会話」は「キャッチボール」にたとえられますが、相手のボールをよく見ていなかったり、ボールを受け取る前からどうやって返球しようか考えてしまったり、向こうが投げようとしているのに自分から新しいボールを投げてしまったりしてしまいます。

 

 かく言う、私も「聴く」のが苦手です。

 

 原因は3つあって、「せっかちだから」「話すのが好きだから」、そして「問題解決を始めてしまうから」というものです。

 

 3つ目の「問題解決を始めてしまう」とは、次のようなことです。

 

 例えば、「毎日の食器洗いが大変だ」という話をしている妻に対して、「食洗器を買えばいいんじゃない」と返してしまうというようなことです。

 「大変だよね」と話を聴くことが大事なのに、そして、妻は解決策を尋ねているわけではないのに、勝手に解決しようとする。ダメですね。

 

 そこで、「聴く」スキルを徹底するために、おすすめしたいのは、自分だけのルール「マイルール」を作るというものです。

 一度自分がどういうときに話が聴けなくなるのかを振り返ってみて、「傾聴」や「アクティブリスニング」のスキルとして言われていることの中で、自分が特にできていないことをピックアップし、その対策をルールにするのです。

 

 私の「マイルール」は以下の通りです。

  • 〇分間は黙って話を聴く、と決めておく

  • 同時に話そうとしてしまったら、まずは譲る

  • 相手が沈黙してもすぐに自分から話しはじめずに、相手の反応を10秒待つ

  • 時間がない時は、最初に「〇分は話を聴く時間があります」と伝える

 

 そして、最近はzoomなどのオンラインTV会議システムを使うことが増えてきたので、ちょっとルールを足しました。

  • TV会議中に他の作業をしないようTV会議システム以外のメーラーやチャットを閉じ、携帯も手の届かないところに置く。

  • (画面越しだと動きや表情が見づらいので)大きくうなづいたり、👍などのサインを表示したり、手で大きく○を作ったり、目に見える反応を返す

 

 このマイルールでは「時間的な制約」※注 を設けていますが、まずは相手の話を優先すること、その話を理解するための環境を整えることを重視しています。

 (注:このマイルールでは、せっかちである自分の性格を踏まえつつ、日常的な会話や忙しい仕事上での「聴く」ということを想定しているため「時間的な制約」を設けていますが、コーチングの際は時間的な制約は設けません。コーチングの時間は全てクライアントのものです。)

 

 いかがでしょうか?

 みなさんなりのおすすめのマイルールがあったら、ぜひ教えてください。

 

 

2020/7/8追記

 友人より以下のマイルールを教えてもらいました。

  • 部下の話を聴くときは、必ず体を相手に向ける

 

 これいいですよね。パソコンを操作しながら聴く人がたまにいますが、失礼かどうかという問題もあるとともに、話をちゃんと理解できないですし、信頼感を損ねてしまいます。

 

 このルールを教えていただいたとき、以前お世話になった一人の上司の方を思い出しました。

 その上司の方に「〇〇さん、今ちょっとよろしいでしょうか?」と声をかけると、すぐにパソコンを閉じ、椅子をくるっと回して体を向けてくれました。

 こんなことをしてくれる上司は今までいなかったので、ある時、「お忙しいのに、なぜすぐ話をきいてくれるのでしょうか?」と伺ったら、「上司が声をかけたら部下はすぐ飛んできてくるでしょ。それと同じことを上司もやるべきだと思っている」とのことでした。

 見習いたいなぁと強く思ったのを覚えています。

 

 

参考:

銀座コーチングスクール クラスA テキスト