在宅時代の進捗管理

 少し前ですが、あるプロジェクトにアサインされ、1週間(月曜~金曜)で成果を出すことになりました。ただ、チームは全員在宅です。
 
 結構効率的な仕事をさせてもらえたので、紹介します。
 

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1.発端は自分から
 私に割り当てられた作業は、全く自分が経験したことのないものでした。
 しかも、随時メールや電話、zoomで、上司に相談はできるとは言え、基本的には私一人家でひたすら1週間作業するというものでした。
 
 不安でした。
 
 何が不安かと言うと、見当違いの方向に作業を進めてしまい、締め切りである1週間後の金曜18時に提出したものが、全く役に立たないものになってしまうかもしれないということです。
 
 そこで、自分もかつては管理職をやっていたので、上司の目線に立って、上述のような事態はなんとしても避けなければならないと思い、以下のようにすることにしました。
 
  • まず、作業初日の月曜朝一に上司に連絡し、2日目の火曜朝一にzoomミーティングをしてもらうことに。
  • ミーティングの議題は、「金曜に提出する最終成果品のイメージ」及び「1つのタスクの完成イメージについて」
 補足:今回の自分の担当は、20個ほどの似たようなタスクがあり、それらの整合を図ったものが最終成果品となるというものでした。
 
 ここでの目的は、「作業全体の方向性」及び「1つのタスクの成果(量や質)」について確認しておくことです。
 
 ちなみに、ミーティングを先にセットしたのは、タイムマネジメントでもあり、上司を安心させるためでもあり、自分を追い込むためでもあります。
 メールではなくzoomとしてもらったのも、ニュアンス含め、いろいろと確認したかったからです。
 
 
 
2.上司からの指示
 上記の申し出に、上司はこころよく応じてくださり、以下のような条件が出されました。
  • 残業はしてはいけない。
  • 毎日18時時点の成果をメールで提出。
 
 ちなみに、その上司の方はものすごく朝早く仕事をするタイプの方だったので、私がその日の報告を夕方にすると、私が作業を開始する翌日の朝一(9時)には、返事が返ってきていました。
 
 
3.進捗管理
 残業してはいけない中で、毎日夕方に進捗報告して、翌朝には指示が来るというサイクルは、ちょっときつかったですが、日中は一心不乱に作業ができました。
 
 さらに、私の方で、毎日18時のメールにて、その日の成果に加え、「翌日の作業予定」も報告することにしました。
 
 すると翌朝上司からのメールには、前日の成果へのアドバイスに加えて、「今日のタスクは自分でも〇時間ぐらいかかるから、頑張ってね」とか「今日中にはこの辺まで終わらせられるのではないか?」とか「これぐらいまで行けたらすごいよ」と、頑張ったら届くかもしれないぎりぎりのラインを狙って指示が来ました。
 
 これは、ちょっとスリルがありました。
 なぜなら残業できないので、決められた時間の中での「質と量」が試されており、それを達成できないとなると、「能力が足りない」と思われるのではと思ったからです。
 
 一方で、上司からは「1週間でやれるところまでやってくれれば、あとは全部自分が何とかするから」と何度もおっしゃっていただいたので、その点は安心でした。
 
 
4.期待値をコントロールする
 この言葉は以前読んだ「コンサル1年目が学ぶこと」(著:大石哲之)に書いてあった言葉ですが、今回非常に役に立ちました。
 
 仕事では常に依頼者の期待値を越えなければなりません。そうでなければ、次の仕事が来ないからです。
 ですが、時間も能力も有限ですので、毎回大きく期待値を超え続けることは無理です。
 
 その点で、今回の仕事を引き受けるかについては、私の方ではちょっと悩みました。
というのも、最初に書いた通り全くやったことがない仕事だったからです。
 せっかく声をかけてもらったのだから2つ返事で仕事を受けるところを、事前に何回かこのプロジェクトで上司となる方と打ち合わせをさせて頂き、作業のイメージを固めるとともに、自分は「これぐらいのことはできそうです」(逆に言うと、「これ以上はできないです」)というところをすり合わせました。
 
 ここで「これぐらいのことはできそうです」という自分の能力のアピールがあまりに低いと仕事がこなくなってしまいますし、一方で、余りに高いと、結果として割り当てられた役割をこなせなかった場合、チームにもクライアントにも迷惑がかかることになります。
 
 求められていることと自分の能力の双方をしっかり把握し、依頼者の期待値をコントロールしなければなりません。
 
 
5.気づき
 今回は単一のプロジェクトに集中できる環境で、かつ、急用が入ることはない環境でしたので、こういった細かな進捗管理が可能であったともいえます。
 
 多くのプロジェクトが並行して走り、また、急用や電話で作業が中断されるようですと、なかなかこうはいかないかもしれません。
 また、そもそも仕事を受ける受けないという選択肢がないことも多いです。
 
 それでも、以下のようなやり方は、在宅勤務の時代、極めて大事なことだと思いました。
 
(事前に)
  • 上司が、どういう目的・内容、いつまでの仕事かを説明する。
  • 部下がそれを踏まえて、どれぐらいできるかを伝える。
(最中には)
  • 上司が、残業無しという条件をきっちり守ったうえで、部下の能力を踏まえて、いつまでにどの程度の仕事を終わらせればよいのかを精度高く予測する。
  • 上司が「こうすると良い」とアドバイスをし、「もっとやれるだろう」と励まし、「あとは任せろ」と安心させてくれる
  • 部下も集中して仕事をして、ちゃんと報告する

 

 そして、作業が終わった後、フィードバックとして、仕事の進め方や出来栄えについてアドバイスも頂けました。

 

(終了後)

  • 上司は、部下にフィードバックを返す

 

 こう記載すると、部下を細かに管理するというイメージがありますが、管理するのはあくまで成果であって、部下には安心して精いっぱいの力を出してもらえるようにする、というのが大切ですね。