転職して1年経って本棚を見て気づいたこと

 転職して1年。
 ふと本棚を見たらこんな感じでした。

 

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 転職してから買った本もありますが、半分以上は前職の時から読んでいた本でした。
 「あー、だから転職したんだな」と思った瞬間でした。

 

 今は人材育成の仕事をしているので、そういった関係の本を読むことが多いです。それは当たり前かもしれません。

 ところが、振り返ってみると、行政や土木の仕事をしていた前職の時は、それ関係の本を自分から買ったことはありませんでした。もちろん、仕事上手に入った資料や仕事上読まなければならなくなった本はたくさん読みました。

 しかし、自分の興味の赴くままに、もしくは、仕事と関係ないのに読んだ本はありませんでした。
 この違いは大きいのではないか、と気づきました。

 

キャリアを考える3つの問い

 私は40代半ばでキャリアを大きく転換しました。転職の際は、転職コンサルタントの方の話を伺い、またいくつか転職のHow to本を読み、キャリアについて考えましたが、キャリアについては、もう何十年も前から研究が進んでいます。

 キャリアを考える際の基本となる問いとしては、MITのエドガー・シャイン教授が提案した3つの問いがあります。

①自分は何が得意か
②自分は一体何をやりたいのか
③どのようなことをやっている自分なら、意味を感じ、社会に役立っていると実感できるのか。

 

 この3つの問いは、良くCan/Will/Mustといった3つの円で示されることが多いです。

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 自分の場合、行政官であり土木技術者であった前職では、Mustの部分が大きかったと言えます。人々の生活を長きにわたって支えるインフラ(道路や堤防など)づくりに携わっていたことから、自分なりの使命感という面からも、また組織が与えてくれる機会や役割といった面からも、当然かもしれません。


 ところが、自分の意思(Will)やできること(Can)が、こういった使命感や役割と合致していたかというと、そこは疑問が残ります。
 就職活動をして前職を選んだので、当然合致していた部分もあります。ただ、キャリアを重ねるにつれて、図でいうと、MustとWillが重なる面積やMustとCanが重なる面積が小さくなっていったのだと思います。

 

 一方、転職してからは、もともと何がやりたいのかというwill、からスタートして転職先を選んでいますし、Mustについても「チームで構造物を造る」から「チームを創る」ことをサポートする、に意味づけを変えましたし、前職でのマネジメント経験を活かしたいというCanも明らかでした。
 

 社会的な影響という意味ではMustの面積は小さくなったかもしれませんが、自分にとっては、Can/Will/Mustが交差する面積は確実に大きくなりました

 

 是非キャリアに迷ったら、この3つの問いを考えてみてください。

 

短期的な目標のための3つの問い

 将来のキャリアについて考えることは、日々そう機会はありませんが、少し先(1年程度)の目標をたてたり、スキルなどを学ぶための学習目標を立てることは機会があるかもしれません。

 

 その際は、Can/Will/Mustに似た、次のフレームワークを使ってみてください。
 ちなみに、こちらは、私が学んでいる井尻さんのオンラインサロンで教えて頂いたことです。(井尻さんのサロン: https://jun-ijiri.com/online-salon0/

 注:この3つの問いを「短期的な目標のため」としたのは私なりの解釈です 

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①自分は何が得意か
②自分は一体何をやりたいのか
この2つの問いは、シャインと一緒ですが、3つ目が異なります。
③世の中では何が求められているのか

 

 シャインの問いは全て自己の内面に向かっての問いであり、自己イメージを固めるものでしたが、井尻さんのご提案での③は、外部的な視点が入っています。

 長期的にみれば自己の内面と対話することは大事ですが、もう少し短期的なことを考えるのであれば、③を考えることは、学習効果を高めるという観点から、もしくは自己の価値を高めるという観点から、極めて有効だと感じました。

 

 皆さんも是非やってみてください。

 

 

参考:働くひとのためのキャリア・デザイン 著:金井壽宏