コーチングって何?

コーチングを習い始めました。
まずは、「コーチングって何?」について書いてみました。
 
1.コーチングって何?
 
 コーチングって何?って思いますよね。
 
 定義をお話しする前に、こんな経験ありませんか。
悩んでいたのだけど、友達に話を聴いてもらっているうちに、なんかスッキリした
悩みを友達に話しているうちに、なんか自分の中で解決策が見つかっちゃった
 
 この時のように、「いろいろ話をしていたら、自然と自分の中から元気が湧いてきたり気づいたりして、問題の解決策を自分で見つけられた」というのをサポートするのが「コーチング」です。
 
 では、定義を。
 私が習っているコーチングスクールでは「コーチングとは、パフォーマンス向上のために、対話によって対象者を勇気づけ、気づきを引き出し、自発的行動を促すコミュニケーションスキル」と定義しています。
 この定義にのっとると、目的は「パフォーマンスの向上」です。これは言い換えると、相談者(「クライアント」と言います)の「目的を達成する」ことですが、コーチングによって、「より高い目標をより早く達成する」ことを目指します。
 そしてコーチングはコミュニケーションのための「スキル」です。具体的には、「認める」「聴く」「質問する」をメインとしています。このスキルをクライアントとの「対話」の中で用い、クライアント(相談者)の目標を達成するために、「勇気づけ」「気づきを引き出し」、それを「具体の行動につなげられる」ようにします。
 
 なお、世界最大級のコーチの国際組織である国際コーチ連盟は、次のように定義しています。「Coaching is partnering with clients in a thought-provoking and creative process that inspires them to maximize their personal and professional potential」
 よく考えられている定義ではありますが、少し一つ一つの言葉が難しいですね。ただ、短くすると「Coaching is partnering with clients」ですので、クライアント(相談者)のパートナーとして寄り添うことを意味します。
 
 この「パートナーとして寄り添う」というところを、相談者の悩みを解決するという意味で「コーチング」と似ている「コンサルティング(ティーチング)」「カウンセリング」と比較することで、「コーチング」の特徴がさらに見えてきます。
 
2.「コンサルティング(=ティーチング)」「カウンセリング」との違い
 
2-1.位置関係の違い
 「コーチング」という言葉は聞きなれなくても「コーチ」は聞いたことあるのではないかと思います。野球のコーチとかテニスのコーチとか。ここで出てくるコーチは、まさに知識も経験も技術も豊富なコーチから教えてもらうというものです。
 
 ここがややこしいのですが、野球のコーチが行っているのは「コーチング」ではありません。「コンサルティング」であり「ティーチング」です。「コンサルティング」と「ティーチング」は同じ意味を持つ言葉です。「ティーチング」という言葉の通り、教えるというものです。「相談を受ける側」と「相談者」の位置関係は、相談を受ける側は「上」、相談者は「下」になります。いろいろ知っている人が相談者に教えてあげるというものです。
 
 例えば、学校の先生がやっているのは「ティーチング(=コンサルティング)」です。上司が部下に教えてあげるのも「ティーチング(=コンサルティング)」です。
 例えば、会計コンサルが節税の方法を指導してくれのも「コンサルティング(=ティーチング)」です。
 
 この「コンサルティング(=ティーチング)」の良いところは、時間をかけずに答え(解決策)を教えてもらえるところです。そのため、相談を受ける側は、クライアント(相談者)から相談されている事柄について、より多くより深く知っている必要があります。
 
 一方、「コーチング」では、「答えは必ずクライアント(相談者)自身が持っている」という考え方に立ちます。先ほどの定義にあるように、対話をすることで、クライアント(相談者)を勇気づけ、気づきを与えるものですので、コーチ(相談を受ける側)が答えを与えてくれるわけではありません。
 さらに、「コーチング」は対話の中からクライアント自らに答えを見つけてもらうため、「コンサルティング(=ティーチング)」に比べて時間がかかります。また、コーチは、クライアント(相談者)の相談事に必ずしも詳しいわけではありません。(その代わり、コーチは、スキルやそれを支える自己基盤等を持っていなければなりませんが、また改めてご紹介します。)
 
 ただし、解決策(答え)を自分で発見したわけですから、自発的な行動が促されます。どんなに有効なことを教えられても、やる気が起きず、行動につながらなければ意味がないわけですが、コーチングでは、具体的な行動につながりやすいと言えます。
 
 さらに、「コンサルティング(=ティーチング)」では、相談を受ける側はもちろん相談者よりはよく知っているわけですが、相談を受ける側の持っている知識や経験を上回る解決策は生まれてきません。例えば、「ある製造業の工場で今までの知見では解決できないような問題、つまり上司であるマネージャーが経験したことのない問題が起きた時、現場を知る担当者が自ら考え、新たな解決策を見つける」といったことをコーチングによって引き出すことができます。
 
 よって、コーチングにおいては、立ち位置は、コーチ(相談を受ける側)はクライアント(相談者)の「横」に寄り添う形になります。「上」でも「下」でもなく「横」です。対等な立場で、お互いを尊重しつつ、対話を進めていきます。
 
2-2.心の元気度
  次に、「コーチング」と「カウンセリング」の違いです。ここでは「心の元気度」に着目します。やる気にあふれた状態が心の元気度がプラス、心が落ち着いている状態が心の元気度が±0、不安だったり心が落ち着かない状態が心の元気度がマイナスとします。
 
 「カウンセリング」は、心理的な悩みを解決するもので、この心の元気度がマイナスの人を対象にしています。マイナスの状態を±0の状態に持っていく、大きくマイナスの状態から少しマイナスの状態に改善するといったものです。
 
 ここで注意しなければならないのは、マイナスな心の状態にはかなり幅があります。例えば、心の状態が大きくマイナスの場合、眠れない、一つこととがどうしても頭から離れない、人と話すのが怖いといった状態になってしまう場合があります。このマイナスの状態が病気であると判断されるほどの場合は、医療行為が必要であり、心療内科などの医者の出番です。
 
 一方、コーチングでは、基本的には心の元気度が±0の人を対象にします。そして、勇気づける、つまり心の元気度をさらにプラスにします。
 少し幅を広げると、考えることはできるけど悩み事があって不安な状態にあるといった、少し心の元気度がマイナスの人も対象にできますが、コーチの側に十分な知識と、専門家であるカウンセラーや心療内科の先生のバックアップを確保しておく必要があります。
 
 また、時間軸で言うと、「カウンセリング」では、過去を振り返ることで今を整理することが多いですが、「コーチング」では、今を整理し将来のことを考えることが多いです。
 
3.自分なりの定義
 
 コーチングとは、クライアント(相談者)がより高い目標により早く到達できるよう、クライアントに寄り添い、対話することでクライアントを勇気づけ、気づきを促し、自ら行動することを可能にするコミュニケーションスキルです。
 
ではでは。
 
出典:銀座コーチングスクール クラスA 基本スキル編 テキスト