組織行動論 メモ11 『組織行動論の活用方法』

『組織行動論の活用方法 -理論と経験論と実践ー』

 

 今回にて「組織行動論」の復習終了。

 長々と投稿しましたが、読んでいただいた方、ありがとうございましたm(_ _)m

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 組織行動論をより深く理解し、活用するには、『理論と経験論と実践』が必要と感じています。『教科書とハウツー本と現場』とも言い換えられます。
 以下、それぞれの利点と関連性を述べます。

 

『教科書の利点』

1.体系的に学べる

 今回の一連の復習では、教科書に掲載されている理論を紹介しました。
が、やはり、それぞれの理論をつまみ食いするのではなく、教科書をざっと読んで、体系的に理解した方が、より理解が深まります。

 今回私が学んだ教科書も、1)組織行動論を取り巻く状況を理解し、2)個人行動を理解し、3)集団行動(組織)の理解へと進んでいきます。

 体系的に学習していくことで、 各理論を理解するための下地もでき、それぞれの理論をより深く理解そして応用できるようになります。

 

2.研究に裏付けられた理論を知る

 教科書の記述は、全て研究に裏付けられています。今回私が学んだ教科書も、一文一文に引用番号が振られていると思われるほどに、巻末に参考文献がずらりと並んでいました。

 「マズローの欲求5段階説」のように、ものすごく有名なのに、研究的に裏付けがされていない理論もあります。

 理論を用いるのであれば、研究者が積み上げてくれた理論を用いたいところです。

 

(少し話がずれますが、私としては、実践に重きを置くのであれば、いきなり論文を読むことは余りおすすめしません。研究とは、ある限られた範囲を対象として、薄皮を重ねるような作業なので、その研究の位置づけや過去の研究を理解していないと、 一つの論文だけ読んでもよく理解できず、また適用範囲が極めて限定的だからです。

 そして論文をいくつか読んでも、点と点がつながらず、絵が浮かび上がってきません。最新の理論を学びたいのだとしても、まずはこまめに改訂が繰り返されている教科書を読むことをおおすすめします。)

 

3.適用範囲を知る
 どのような理論も前提条件や適用範囲があります。それを知ることで、適切に応用できるようになります。

 

 

『ハウツー本の利点』
 ここで言うハウツー本とは、著者自身の体験談をまとめた本。例えば、著者が管理職だった際に経験したこと、著者が採用担当だった時に体験したこと等をまとめた本です。「はじめての課長の教科書(著:酒井穣)」なんかを私も読みました。

 

1.リアルにイメージできる
 著者の実際の体験談に基づいているので、とてもイメージしやすいです。その人がどういう困難な状況にあり、それを改善しようとどういうステップを踏んだのか、周りの反応はどうだったのか等、その人が置かれた現場を疑似体験できるのが、ハウツー本の良いところだと思います。

 また、自分の解決したい状況を取り扱っていたり、自分の好みに合った仕事のやり方をする著者のハウツー本を選ぶことができます。

 教科書はともすると無味乾燥で一般論すぎると感じてしまうことがありますが、それを補ってくれます。

 

2.安くて簡単
 教科書に比べると圧倒的に安く、簡単に読めます。

 

 

『最後に現場でやってみよう』

1.まずは、理論をフレームワークとして、現場を眺めてみる。

 教科書で学んだ、各理論をフレームワーク(物事を見る視点や切り口 例:5W1H)として用いると良いかと思います。

 例えば、人が自発的に行動するための要因を扱った「MARSモデル」というのがあります。(MARS:Motivation / Ability / Role perception / Situational factors)
 自分の部下の仕事がうまくいっていなかったら、M:モチベーションが湧かないのか、A:技術が不足しているのか、R:役割を理解していないのか、S:その他阻害する環境要因がないかといった視点で見てあげることができます。

 

2.ハウツー本をたよりにやってみる

 次に、ハウツー本のリアルな体験を踏まえて、理論を実践してみる。自分の置かれている状況や自分の仕事のやり方の好みに合っていれば、そのままやってみれば良いでしょう。

 仮に、そのハウツー本が自分に100%当てはまらなくても、理論を学んでいれば、そのハウツー本からも得られることは多いはずです。なぜなら、名著と呼ばれるハウツー本は、ある程度理論を踏まえている、もしくは理論に近いレベルまで思考が整理されていることがあるからです。

 例えば、このハウツー本のこの記述は、MARSモデルのM:モチベーションに焦点を当てた例なのだな。とすると今自分の目の前の事例は、A:能力が問題となっているから、その点は異なるけど、実践にあたっての周囲の説得方法は参考になるし、また能力向上とモチベーションは関連しているので、取り組んでみてもよいな、と解釈できる。

 

3.現場で工夫を

 理論は様々なケースから抽出されたエッセンスであり、体験談は著者個人の経験なので、当然現場と乖離が出ます。
 ここで、「だから俺の現場は特殊なんだよ」とか「役に立たないじゃないか」と言わずに、理論と経験論を武器に、じっくり工夫することが必要だと思います。

 

 最後に、ここでの工夫が、現場を任されている私たちの責任なのだと思います。がむしゃらにやるのではなく、理論だけを振りかざすのではなく、過去の成果を最大限活用しつつ、現場のチームの協力を得て、少しでも組織を、組織が生み出す成果を改善していきたいです。

 

ではでは。